2026/11/05

2026年10月25日(土)第403回グローバル・セッション・レポー エスペラントについて 「英語ではない国際語:実際に使われている人工語」

開催後のレポート

場所:ガレリア3階 会議室
ゲストスピーカー:西永篤史さん(エスペラント研究者・亀岡市在住)
コーディネーター:亀田博さん(大津市在住)
参加者:8名

 今回のタイトル:エスペラントについて 「英語ではない国際語:実際に使われている人工語」

自己紹介

観光客は、中国人が減ったと言われていますが、ヨーロッパ人が多く、特にイスラエルからの人が増加しているそうです。イスラエルの人が旅行で多いのは、日本だけではないようです。それは、イスラエルは、女性も軍隊に行くので、対応して有給休暇があるので、世界のいろいろな山に行くそうです。中東は行きにくくなっていますが、飛行機代も高くなっていますね。日本は物価が安いとみられ、観光客は、百円ショップやコンビニもたくさん来ていますね。トランプ大統領の中間選挙がありますが。

グローバルセッション 開始

では、西永さんの自己紹介からは始めて、お話しをお願いします。

西永さん:広島県庄原市の出身です。エスペラント語を学び始めたのは、18才か、19才だったと思います。家族が大本教の信者で、子どものころから、出口王仁三郎さんが広めたエスペラント語を学ぶように言われていました。きっかけは、広島大学の理学部物理学科に入学したのですが、かなり苦労して7年かけて卒業しました。国語は得意だったのですが、大学の数学は難しかったのでしょう。大学では、英語以外を第一外国語とすることになっており、ドイツ語にしましたが、これも難しかったです。かろうじて卒業して、自分のやりたいことは何かと考えた末、大本の仕事を選んで亀岡に来ました。

エスペラント語は、やさしいことばと思っていたのですが、もう少し、いっしょうけんめいやらなければとも思っていました。

世界と言語:世界には7000以上の言語があります。現在は国際交流は、増加していますが、言語の壁は依然としてあります。私は、関西弁の中に住んでいますが、自分は、何弁で話しているかはわかりません。

19世紀ヨーロッパでの国際語開発の試みとして、1887年にドイツのバーデン出身のカトリック神父のシュライヤーによってヴォラピュックが創られました。ドイツ留学中の丘浅次郎が、1891年にエスペラントを知り、日本人初のエスペランティストになりました。

エスペラントとは?

1887年に誕生した人工語で国際語です。特定の国に属さない、学びやすい、中立的、国際交流のための言語という特徴があります。多様性と共通性がキーワードです。

創案者は、帝政ロシアのビャウイストク(現在は、ポーランド)出身のザメンホフというユダヤ人眼科医で、1887年7月26日に「エスペラントの博士」というペンネームでこの言語を発表しました。キリスト教の世界では、ユダヤ人は、金貸しと視られ、下に見られていました。東欧では、ユダヤ人や、ポーランド人、ロシア人など言語がちがう人が多く、トラブルが多かったようです。特に世界にちらばったユダヤ人のために共通のことばが必要と考えたようです。27才だった1887年に奥さんのお父さんの資金援助を受け、エスペラントの本を発行しました。

世界中の人が、簡単に学べ、母語に成り代わるというよりは、むしろすべての人の第2言語(橋渡し言語)としての国際補助語をめざしてこの言語を作ったそうです。

ザメンホフ(1859年12月15日~1917年4月14日)

エスペラントのアルファベットは28文字あります。

母音5文字、子音23文字で、一字が一音を表します。母音字は日本語と同じ a,e,i,o,u です。

字上符といって、ふつうのローマ字の上につける符号があります。これが付いた文字は独自の発音をします。

一部の古いブラウザ(ホームページ閲覧ソフト)では、下記の表の「字上符付きの文字」が ただしく表示されない場合がありますので、ご了解ください。

大文字ABCĈDEFGĜHĤIJĴ
小文字abcĉdefgĝhĥijĵ
発音記号[a][b][ts][ʧ][d][e][f][g][ʤ][h][x][i][j][ʒ]
読みabocoĉodoefogoĝohoĥoijoĵo
読みアボツォチョドエフォゴヂョホほイィヨジョ

読み方のアクセントは、後ろから2番目の母音です。

Salutoの場合のアクセントは、luです。

語尾を変えれば、品詞が変わります。

AI時代にエスペラント?

AI翻訳はですが、どの言語で考えるか?

考える言語が、思考言語である。→逆に、学んだ言語によって考え方が変わることがある。

エスペラントは、独学で身につけられる。昔から、語学は学習会などを持っていたが、オンラ

インでの会話会も最近はできている。

私の活動

  1. この地域でのエスペラントの認知度を上げたい。

*エスペラント工房かめおか:https://esperantokameoka.wordpress.com/

* zoomでエスペラント入門 毎月第3木曜日 20:00~21:00 無料

*KameRondo カメロンド:ZOOMによる初心者向けおしゃべりの場

  毎月 第2と第4木曜日 19:30から1時間

  • アジアのエスペラントを盛り上げたい

 *1982年世界エスペラント協会会員

 *2018年6月~2026年6月  日本エスオペラント協会理事・国際部長

 *2019年4月~2025年9月 

世界エスペラント協会アジア・オセアニア委員会 委員長

 *2024年2月~ エスペラント工房かめおか 活動開始

活動をしてきたひとびと

  • 出口王仁三郎(1871~1948)

大本の聖師 曽我部町穴太の出身 旧名:上田喜三郎

1923年(大正12年)、側近にエスペラントを学ぶよう指示

神の教えを世界に伝え、言語の壁を取り除く手段としてエスペラントを重視

大本での組織的な普及活動の出発点を作った。

  • 二葉亭四迷・宮沢賢治・新渡辺稲造・大杉栄・堺利彦・柴山全慶(禅僧・仏教学者)など

亀田(コーディネーター)さん:質問があれば、どうぞ。

E・Oさん:エスペラント語を大学で教えているところはありますか?

西永さん:中国の山東省棗荘市の棗荘学院という大学には、世界初の4年制エスペラント学科があり、エスペラントと英語を公用語として教えています。

また、ポーランドのポズナンにあるアダム・ミツキェヴィチ大学では言語間学(インターリングウィスティクス)プログラムが3年に1度のサイクルで開講されています。

K・Wさん:これからのエスペラント語は、いかがですか?

西永さん:どうなっていくかは、わかりません。インターネット時代の前は、サークルなどに寄り集まってやっていましたが、今は、ネット時代になり、誰が学んでいるかもわからないのです。昔からエスペラントは独学が多かったのですが、発音が難しいという課題がありました。今は、エスペラントも音で聞けるようになりました。

基本的に英語はよく使われますが、その国のことばを使うと、人々との距離が縮まることはありますね。

K・Wさん:エスペラントにそれはあるのかと言うと?話す人が少ないですか?1千万人いると言われていますが。

西永さん:学ぶ人が1千万人とは言えないですが、使う人が多くないですね。

K・Wさん:歴史も文化もありで、話し合うのもいいのでは?

西永さん:エスペラントでは、どの文化も持ち込み可です。好きな詩人の本を読んだり。

K・Wさん:文法はスペイン語に近いですか?

西永さん:解析すると、16条の文法が書いてあります。また、どこの国とか、何人とかを意識しません。

N・Kさん:宮沢賢治がエスペラントを始めたきっかけは、明治時代は、英語は権力のあることばで、この言葉は、人工語なので、公平に話たいと思い、学習したようです。また、自分の詩を世界の人に読んでほしいと自分でエスペラント語に訳したそうです。文学や詩も、エスペラントにとり入れて行きたいと。

西永さん:日本固有の単語はそのままエスペラント化されています。

K・Wさん:いろいろに人に通じるのでしょうか?

西永さん:最近は、ネットでの使用が盛んで、昔とは使われ方がちがうようです。

K・Wさん:AIとの関係もありますね。マイナー言語は対応が難しいかもしれませんね。グーグル翻訳は、エスペラント語もそこそこもっともらしいかもしれませんが。最近の若者は、単語を調べる時に、AIに調べさせて、速いので、役に立つと思っているようです。

西永さん:打ち込みはありますが音声での翻訳はないですね。日本のエスペラントは、最近は、芸術作品は弱いように思います。

亀田さん:ヨーロッパの文学のエスペラント語への翻訳はありますか?文芸コンクールの大勝を取った人の作品とか。

N・Kさん: 『沈黙』とか、『雪国』の翻訳はあるようですね。

西永さん:文芸コンクールにはエスペラント語の原作のジャンルと翻訳のジャンルとがあります。

亀田さん:若年層は減っていますか?

西永さん:若者がエスペラントで元気がいいのは、アフリカや東南アジアです。また世界的に無料のホームステイシステムもあります。外国から申し込みがあれば、泊めてあげるとか。中国やベトナムは、政府がエスペラント語を推薦したりして、東南アジアでも盛んです。スイスなどは、4カ国語が公用語という国もありますね。

亀田さん:ミックスしたロマンス語なども文化としてありますね。日本でも、北海道などには、アイヌ語が町の名前として残っています。洞爺湖では、アイヌ語でお経を読んでいるそうです。

西永さん:どの言語でも受け入れるというのがエスペラントの特徴です。星の王子様やクマのプーさん、ムーミンなどもエスペラントになっています。

亀田さん:ハリー・ポッターとか、などもいいですね。

児嶋: ひまわり教室(外国につながる子どもの学習教室)に来ている子どもたちは、学校で英語を学んでいて、日本の学校の英語教育とは比べものにならないほどの力がありますね。

亀田さん:秋田弁は、フランス語に似ていると聞いたことがあります。

亀田さん:時間が来ました。今日は、ここまでです。