2020/07/27
2020年7月25日(土)第331回グローバル・セッション・レポート
開催後のレポート開催日:2020年7月25日(土)10:30~12:00
場所:ガレリア3階会議室
ゲストスピーカー:エニ・レスタリさん(インドネシア出身・インドネシア語講師)
コーディネーター:亀田博さん(大津市在住・ツアーガイド)
参加者:7名
今回のタイトル:How corona affects our daily life
(コロナ禍がいかに日常生活に影響を及ぼしているか)
参加者の自己紹介
Sくん:高校2年の17歳です。児嶋きよみさんは、祖母です。
Uさん:京都新聞の記者です。取材をよろしくお願いします。
Iさん:ネイティブカメオカンです。少人数の参加者と聞いて、これは参加しなければと思って参加しました。(ひまわり教室の指導者)
Fさん:ようやくビジネスができてうれしいです。でもコロナも増えていますが。NPO京都映画クラブを主宰していて、今年は今までに3コのイベントを予定していましたが、すべてキャンセルになりました。子どもたちに映画作りを教えるカルチャー講座や、京都映画フェスティバルも、映画村体験なども春にはまったくできませんでした。
Mさん:高槻にあるJT生命誌研究館のスタッフです。春はコロナで閉館していたのが、最近は人数制限をしながら、予約したグループの参観を受け付けています。(昨年のジュニアワールドフェスタのゲストとしてガレリアでお話をされました。また、2020年2月にはGlobal Sessionでのゲストに来ていただきました。)
児嶋きよみ:このGlobal Sessionは、亀岡交流活動センターで1999年に始まり、2011年に私の退職後は、オフィス・コン・ジュントとして主宰をしています。毎月1回開催し、今回は331回目です。2020年3月・4月・5月は残念ながら開催ができなかったのですが、6月から再び開催できてとてもうれしいです。少人数の参加者でのセッションが目的で、約束ごととして、「だまって聞いているだけでもいい」「「コーディネーターがいますが、当てることはしない」「どこから対話に入ってきてもよい」があります。
グローバル・セッション開始
亀田(コーディネーター:以後Cと記す):では、エニさん、簡単に自己紹介から始めてください。
エニ:少し遅れて着いてすみません。京都市内から亀岡への道がすごく渋滞していました。インドネシア出身で、日本に住んで20年間ほどになります。1993年に(考古学)研究者として来日し、いったん帰国し、1996年に再来日して京都市民になりました。今はフリーランスのインドネシア語講師として大学などで教えています。一人息子がいて、その子が今年大学に入学しました。
亀田(C):では、少しずつ書かれたエッセーを読んでもらって進めていきましょう。
エニ:読む(児嶋訳の1)「コロナ禍の中、息子さんの大学入学後の住むところを探して毎日のように、京都・大阪間を電車やバスで行き来していた。その時、毎日マスクを購入するために近所のコンビニに朝の5時から並んだりした。その後、マスクはオンラインでの購入に切り替えた。」
エニ:毎日の生活に大きな影響を受けましたね。
亀田(C):マスクの話もありましたが、最初は高いし、少なかったですね。インターネットで購入もできるようになったのですが、「アベノマスク」も届くのが遅かったですしね。
エニ:(正面にマスクの映像が映される)ネットで購入した数は相当多く、アベノマスクは、その下にあるちょっとでまだ、開封していません。家族は夫の母も入れて4人なので、かなりの数のマスクが必要です。
エニ:読む(児嶋訳の2と3)2「stay home」と政府が言い出してからは、大学の講義がオンラインになり、大学に行かなくてよくなった。しかし、それぞれの大学により、オンラインのシステムが違うので、その方法を理解するまで1ヶ月ほど時間がかかった。学生の側もコンピューターを持たない学生は、携帯でやりとりし、文字が小さすぎるなどいろいろな問題があった。」
3.「夫も家でのテレワークになり、自宅は、オフィスであり、教室になった。息子も自宅で大学の授業をオンラインで受けはじめるようになった。」
M:私も長い間、テレワークを家でしていましたが、その周りに子ども達が飛び回り、大変でした。
F:オンラインで教えておられたと思いますが、通常とオンラインでのやり方とちがいがあると思いますが、慣れましたか?
エニ:4つの大学で教えていますが、それぞれに求める方法がちがい、オンラインの使い方もいろいろですが、例えばZOOMで自分が学生にコンタクトを求めると、無料時間は40分間だけです。それで、90分の指定の授業時間を続けるためには、40分で一回切り、再度つないでもう一回の40分間の授業をする方法をとらなければだめでした。他の方法で大学主催の講義もありますが、人数制限が9人とかで、それ以上になると、もう一回べつの時間に別の学生に対応しなければならないとか。
エニ:読む(日本語訳の4)「インドネシア出身の京都近辺に在住の方達のコロナ禍での生活が気がかりだった。やはり言葉にも不自由しているインドネシア人のコミュ二ティ住民も多く、コロナにかかった場合の医療機関への心配もおこっていた。私は、そのケースごとにちがいがあることを説明すると、皆、おちついて来たようだ。」
エニ:インドネシア領事館も積極的に関わりを持ってくれて、インドネシアの歌をインドネシアに在住の友人と時差を考えながらオンラインでいっしょに歌ったこともあります。
児嶋:シリア出身の知り合いの方がひまわり教室に子どもさんを連れてきて、子どもの勉強を見てもらっている間にシリア在住の姉と国際電話のラインのようなシステム(無料)を使い、1時間ほど電話をしていました。ちょうどシリアの午後1:00が日本時間の午後6:00なのだそうです。(ひまわり教室は、午後6:00~8:00)
エニ:インドネシアにも無料の電話システムがあります。インドネシアとの時差は2時間ですが。東京の老人ホームで仕事をしている友人がいて、少し熱があったら、PCR検査をするように言われたが、もし、陽性だったら、SNSなどで広まるのではないかとパニックになっていました。その友人には、この日本に20年間住んでいるが、その対応に差別はないと答えると安心しました。
その他にも日本に留学している学生たちも不安になっていました。留学生と言ってもいろいろあり、文科省からの奨学金をもらっている学生のいれば、日本語学校に通いながら、決まった時間以内でのアルバイトをしなければやっていけない学生もいます。コロナでそのバイトも無くなった学生もたくさんいるようなので、まず、コミュニティでは、募金活動を始めました。また、インドネシア政府も学生たちにアンケートを取り、必要な物資として、マスクや米、さとう、油などを用意し、毎日の食材も配布する事業もありました。大使館からは、まず、マスクが配布されました。
また、SNSでうわさを広めた人を割り出し、コミュニティから学生代表にその内容を除去するよう要請もしました。
児嶋:以前に、エニさんが質問をされていたと思うのですが、4月1日などの決まった日より3ヶ月前に日本に滞在していなければ、特別給付金の10万円がもらえないという誤解がありましたね。3ヶ月の観光ビザでは無く、学生ビザや就労ビザは3ヶ月以上の滞在を認めているので、全員がもらえるということを認識するまで結構時間がかかったようですね。その後、支給について、外国につながる人たちとつながりのある知人から聞いたのですが、特別給付金としてもらった10万円は、多くの留学生や就学や就労している人たちは、母国に送金し、たいへん喜ばれたとか。
エニ:このお金の支給についても、たくさんの質問がありましたが、日本政府を信じて従えばいいとコミュニティの人たちにSNSで伝えました。
F:この10万円の話もありますが、事業をしていて、このコロナ禍で事業ができなくなった場合に、事業継続の資金として請求する権利もありますね。この場合は100万円ほどもらえるはずです。
エニ:私もフリーランスの講師をしていますが、学生の息子は大阪の大学に入学し、大学に通学するために近くにアパートを借りたのに、オンラインの授業になり、京都の自宅に帰ってきました。でも、何ヶ月も家賃は支払っていますが、その保証はないのでしょうか?
F:家賃そのものの100%の補助はないと思います。ただ、親の収入にもよりますが、家賃×6か月の三分の二がもらえるかもしれません。ただ、賃貸契約書などさまざまな契約書も必要です。
亀田:私もガイドの予約が全部なくなりました。その中で、国によって支援の仕方はいろいろちがいがあるようです。英国では、消費税などを20%から5%に落とすとか。6ヶ月間限定のようですが。中国もいろいろあるようです。インドネシアはどうですか?
エニ:税金は、インドネシアも高いと思います。
児嶋:ニュージーランドに住む日本人の知人が、ずっとこちらに住むつもりだけれど、日本のような年金システムがこちらには無いので、日本の年金だけは払い続けていて、もらえる年齢になったら、日本人としてかけ続けたので、それをもらいたいと思っていると言われたのを覚えています。
F:外国籍の人も年金は支払っていますよね。
亀田:保険のシステムもありますね。
エニ:(読む)「数ヶ月間、必要な洗浄やマスクをつけ、注意をはらってすごしてきた。マスクをすることで、人にもうつさず、また、うつらないように気をつけている。今も見えない敵としてのコロナと共存しようと試みている。」
(映像でアルコール消毒液を映す)
車の中にアルコール消毒液もおいてあるのですが、このアルコールの表面には、ムスリムのハラルマークが書いてあります。イスラム教徒(ムスリム)は、アルコールを飲まないので、消毒にも使わないはずですが。ジェルタイプの消毒剤もあるのですが、息子がジェルタイプがきらいなので、このアルコールを使っています。イスラム教徒といっても、私はもとは、ジャワ島出身なので、ジャワ文化の方が強く残っているのです。ジャワ文化ではおそなえもあり、亡くなった方へお供えをし、40日に法事のようなこともしています。イスラム教ではその文化はないのですが。
それと、インドネシア人はパスポートなどにも宗教の名を申告する法律があります。
F:ムスリムの方は、一日5回のお祈りをすると言われていますね。
エニ:頭の中で時間を設定してお祈りをします。インドネシアは日本のようなはっきりとした四季がないので、あまり時間に変わりはないのですが。朝・昼・昼・夕方・夜の五回です。例えば、今は、朝の3:22・昼12:03・昼15:50・夕方19:07・夜20:39になります。夕方にお祈りの後で、ごはんを食べ、その後、夜に最後のお祈り時間になります。
児嶋:エニさんの言語はどのような順で学習しましたか?
エニ:まず、ジャワ語で、インドネシア語(共通後)、英語、そして日本語を学びました。日本語は、1995年からです。その中で一番好きなことばは、「もったいない」です。お菓子なども日本ではきれいにパッキングしてあるし、それもはずしたら捨てるのはもったいないなあと思います。他の国の人はほとんどシャワーですが日本人はお風呂に入ると思いますが、それももったいないかと。きれいになりますが。
インドネシアと日本の文化のちがいはいろいろありますが、その中でインドネシア人は「ソーシャルディスタンス」を取るのがとても苦手です。ぴったりくっつきたいのです。
さて、12:30になってしまいました。時間です。(グローバルセッション終了)