2020/08/25
2020年8月22日(土)第332回グローバル・セッション・レポート「映画『The true cost』ファストファッション~真の代償」
開催後のレポート
開催日:2020年8月22日(土)10:30~12:00
場所:ガレリア3階会議室
ゲストスピーカー:濱田雅子さん(オンラインにて)
コーディネーター:児嶋きよみ
参加者:11名
今回のタイトル:映画『The true cost』ファストファッション~真の代償
今回、ゲストスピーカーの濱田さんは、ご自宅よりオンラインで参加して頂きました。
参加者の感想
E・Tさん
私は、服が大好きで、ファストファッションをよく着ます。ユニクロやZARAのような服が、労働問題や環境問題に大きく関わっている事を初めて知り、ショックを受けました。
しかし、ショックを受けたとはいえ、服が好きという事に変わりはなく、これからも服を買っていきたいと考えます。
今後、服を買う時は、様々な人の苦労や犠牲があって服が存在している事を忘れずに買いたいと思います。また、話が脱線しますが、今の自分があるのは、多くの人のおかげで今の自分が存在しているのだと改めて感じました。
転職して年間休日が少ないのですが、多くの方と関わり、“知の探求”を続けます。本日はありがとうございました。
S・Oさん
Consumption はファッション業界だけで起こっている事では、問題ではありません。
食の分野だって、住まいの事だって、人間の根元に関わる全てに関わっています。
早く、安くっていう価値観を追い求める以上、もうそこにはもっともっと、という価値観や思考しか湧いてきません。
だから、今の現代人は頭でっかちなんです。
ああして、一枚のT-shirts が生まれるにもどれだけの血や汗が流れているのか、この値段が生み出される、その背後の流れや、人の営みに如何に想いを馳せれるか。
現代人は、そういった意味で『想像性』を多大に失っているのではないだろうか?
もっともっと幸せになりたい、便利になりたい、それはあって当然、しかるべき事なんですが、それと同等に『失っているものの代償』を考えるべきなんだという事。
お金は、トレードの一つのツール。
そして、我々一消費者にも、それに加担する、応援する権限が与えられているという事を改めて考えなければいけない時代である。
複合的に絡んでいる、一つ一つの今起こっている事に、改めて気づきを持つ事。知る事。
思いを馳せる深度を深める事、そんなことが大事になってくるのではないだろうか。
H・Iさん
安く入れて高く売るのが商売の基本ですが、安く入れすぎると作っている人がこまる。高く売ると買う人が困る。買う人を敵に回すわけには行かないので、作る人に負担をかけてきたと言うことがよくわかりました。
本来生産コストに入れなければならない「危険」「環境破壊」などまで作る人に押し付けて、自分の純利益の計算に入れない。反対すれば、このビジネスがなければ、作る側が稼げなくて困ると言うロジックに誘導する。
経済を衰退させるわけには行かないとか、経済を止めては国民の生活が回らなくなるとか、最近よく聞く言葉ですが、本当にそうなのか疑問に思います。
グローバル資本主義(マーケット)が正しいという思想の押しつけで、命の危険にさらされる人がいるのは絶対におかしい。マーケット主義の暴走を止められる社会システムを考えないといけないと思います。
自分たちのお金を増やすことに必死な資本家たちのビジネスのために、自分たちが生きるために必死な人たちが命をすり減らしていると言うことが、私たち全員が簡単に安くものを手に入れられる「真の代償」なのだと思いました。
A・Oさん
ファストファッションを考えるきっかけをいただき、どうもありがとうございました。
バングラデシュのラナ・プラザ崩壊事故を新聞で知ったとき、こんな労働環境で私たちが着ている衣類が作られていたとは、と衝撃をおぼえ、不明を恥じました。
「服は私たちの血でできている」。見せていただいたドキュメンタリー映画「ザ・トゥルー・コスト」で現地の女性が語った言葉も心に刺さりました。
私たちの生活は、どこかの誰かの人間としてのまっとうな暮らしや環境を犠牲にして成り立っていないだろうか。そう問う大切さをあらためて実感しました。
縫製の現場は今やほぼ海外にあり、遠くでの事故を通じて搾取が明らかになりましたが、技能実習生を「安価な労働力」として使う国内にも搾取の構造があると感じます。
機械・金属などの町工場、建設現場、高齢者施設、農業・漁業分野、国内に残った縫製工場では技能実習生は今や欠かせない存在です。カンボジア人が鶏の世話をして卵を洗浄し、ベトナム人がコンビニやスーパーに並ぶおにぎり、惣菜の製造に携わる。
でも、技能実習生にはコロナ禍に伴う特例を除き転職の自由はありませんし、平均賃金は同世代の日本人の6割強。事故による死者や自殺者が異常に多いことも問題視されています。昨年、京都市内の建設現場で安全確保が徹底されず転落死した21歳の男性もベトナムからの技能実習生でした。
衣にとどまらず日本での生活全般が搾取の上に成り立っていないか、問わなければいけないと思っています。
では、ファストファッションをめぐる現状はどうすれば変えられるのか。
まずは製造過程を知ること、知ろうとすること、でしょうか。でも、買おうとする人がもの一つ一つについて製造過程を探るのは難しいのも事実です。
なぜそれなりの値がついているのかを知る術がなければ、安い方を選ぶのは当然の消費者心理とも思います。
食に関しては消費者の安全確保や海洋資源保護のための認証制度、トレーサビリティー制度があり、人と社会、環境に配慮したエシカル消費が進む基盤ともなっています。
衣についても、児童労働や低賃金労働がなく環境に配慮して製造されていることを認証する制度をもっと広げられないものでしょうか。そうした認証が欧米に比べてとりわけ日本で広がらないのはなぜとお考えでしょうか。
もう一つは素朴な感想です。
折しもグローバルセッション前日、曾祖母と祖母の着物を箱詰めし、バザー用品としてある団体へ発送したところでした。
コロナ禍で自治体による古着のリサイクルは着物を含めて全国的にほぼストップ。春から大半はごみに回っているそうですが、着物をごみにしたくはないと考えてのことでした。
日本の美意識が詰まった着物を手放すために畳み直す私がまとうのは、インド製の安いワンピース。インド製だから悪い訳では決してなく、気に入っていて色褪せてなお着ている服です。
それでも気づいたとき、噴き出してしまいました。グローバル社会で選択肢が増えたのはありがたいけれど、何とも妙な光景だなあ、と。
私は機織りの音が響く西陣、衣類の産地で中高生時代を過ごしました。
着物の暮らしはしていませんでしたが、祖父母の日常着は着物で、生産も消費も近くで回っていました。
でも、衣類に関しては地産地消は今や夢物語。
お話を伺い、映画を見せていただきながら、グローバル社会に小さなため息をつきました。モノも人も国境を越えて動く時代は複雑で難しく、遠くの誰かへの想像力が求められるようになったなあ、と。
K・Yさん
あまり参加出きないのですが、服飾の歴史の時もそうでしたが、参加のたびに濱田先生の講座は、衝撃を受けます。
今回のファーストファションの布の裏にある生産、製造を担っている人々の苦しみ、地球の汚染の現状を知って暗澹たる気持ちになってしまいました。
映画で見た、川が泡で溢れている光景、小型飛行機が低空で農薬を撒いている光景等、私もこの地で過去に目にした事があります。現在では改善されただけではなく、貧しい国に移動していた現実を知り悲しくなりました。
年齢的にも、衣服を買う機会も少なくなりました。その上、児嶋さんが勧めて下さるリユースを多いに利用させて頂いています。
最近一回生の孫娘が、ファションのお店のアルバイトを始めたばかりで、張り切っています。今のタイミングでは、ファーストファションの現実を今少し話さないでおこうと思っています。
R・Sさん
先日は、ありがとうございました。
かつて、劣悪な労働条件の下でファストファッションの製造に従事するカンボジアの人々の記事を見たことがあり、関心のある問題でした。
今回、濱田先生のお話をお聞きし、映画を拝見して、私たちの身近にある洋服がどのように作られているのか、改めて分かりました。
安価な値段の背景に、低賃金と環境破壊があり、そのことがもたらしている代償(ザ・トゥルーコスト)は、とてつもなく大きい。
ファストファッションが成り立つことへの責任が、私たち消費者にもあることを一人でも多くの人が知ることが大切だと思います。
そのことを知って商品を選ぶ力・購入から廃棄までを見通す力が求められていると感じました。
zoomで感想をお伝えし、先生からコメントをいただけたのも良かったです。
リモートでもコミュニケーションが成立し、充実したSession
に参加させていただき、ありがとうございました。」
M・Fさん
今回の服飾文化シリーズはとっても良かったです。
「The true cost」で見た映像は、今まで何も考えずに買っていた衣類の原料の多くは、綿栽培時から大量の化学薬品を使って生産され、環境汚染を冒しているのは全く知りませんでした。しかも生産性を上げるため、低賃金で長時間の労働を余儀なくされ、その上に科学薬品によって侵される自分を省みず仕事に励んでいる。そのような様子には、心が痛みました。
これから衣服を買う折は、この映画を思いだして慎重に選んで、できるだけオーガニック製にしたいと思います。
濱田先生には有難うございました。これからも私の知識の及ばないところをご教示お願いします。
H・Kさん
映画「ザ・トゥルーコスト」 を鑑賞して、アパレル企業の現在の驕りと代償、特に労働者の意欲と信頼を失っている。もう少し労働者に敬意をはらう必要があると思います。
衣服の製造にかかわる人たちの劣悪な労働環境、低賃金長時間労働、多量の使用科学薬品の使われ、環境汚染( 使用水の汚染、農業用水、農作物を食べた人たちの健康は、損なわれ、多くの先天性の重度の麻痺や奇形がでている。日本で言う 水俣病のようです。
遺伝子組換えコットン(細菌由来の殺虫性毒素が組みこまれた(Bt 綿)、Co2の量の排出など。オーガニック・コットンは、身体にやさしく、テキサスでは見直されています。
今,多くのアパレル企業が、(ユニク無印、H,M etc,) 東南アジア、中国、ベトナム、カンボジア、バングラデシュ、タイなどの国の工場生産しているが、労働者の賃金が安い、長時間労働、例悪な労働環境などで、問題になっていることが多い、特に最低賃金を払わない企業もあり、生活に困っている従業員もお多い、最低モラルは、企業は、責任を持たなければならない。
従業員あっての企業であることを自覚しないと会社は、信頼を失い。良くならないと思います。他国の労働者に頼っているので、大切にしないといけないです。
濵田様大変勉強になりました。これからファッション産業は、どのように変化していくのか?
楽しみにしています。