グローバルセッションイメージ

2021/05/31

2021年5月22日(土)第340回グローバル・セッション・レポート

開催日:2021年5月22日(土)10:30~12:30
場所:ゲストハウス藤原
ゲストスピーカー:北神圭朗さん
コーディネーター:藤田宗次さん
参加者:11名

今回のタイトル:「多文化共生社会時代の子育てとは」

藤田さんのコーディネートで参加者それぞれの自己紹介から始まりました。

藤田(C):ゲストの紹介を私からさせていただくと、9ヶ月でアメリカにご家族と渡り、朝日学園という日本語学校で学ばれたのですね。ロサンジェルスにもいくつかあり、サンタモニカにも。

北神:よくご存じですね。

藤田:調べました。そして、大学は京都大学を出られ、本省に入り、2002年に退官され、政治家になられたのですね。では、みなさんのご紹介をどうぞ。

ET: GSに来始めてから7年目になります。コロナであまり人と話していなかったので、今日は幸せです。

TY:ひまわり教室で指導をしています。子どもたちといっしょに活動するのが楽しみです。

KY:ひまわり馬路教室で読み聞かせを担当しています。GSは何回目かです。今日は北神さんの話はおもしろいよと児嶋さんに聞いて楽しみにして来ました。

RS:ひまわり教室の指導をしています。今はお母さんが中国人でお父さんは日本人の子どもさんの学習支援をしています。両方の文化をどう思っているのかとか、自分は何者と思っているのかなど気になります。それと、学習の伸びが心配で、北神さんのお話しは2回目になりますが、同じような体験をされたので、お話しが楽しみで来ました。

藤田:並河に住んでいます。東映映画撮影所や映画村で仕事をしていました。仕事をしているときには、英語が話せたので、アメリカのテーマパークなどでどのようなイベントが人気があるかなど調査にも行きました。アメリカでバスに乗ると「荷物をおいて行ってはだめ」とか、チップ社会であるとか、いろいろなちがう文化があると言うことに気づきました。このGlobal Sessionは、もっと語学をやりたいと思い、最初から参加しています。

KA:私は八幡市から来ています。日本語ボランティアをしていて、八幡市には学習者が100名ほどいて、指導者は、40名ほどいます。5つの教室がありますが、今はコロナ禍で、開放時間が半分くらいになっていて、7月には日本語能力試験があるので、大丈夫かなと心配です。宣言が解除になれば、6月にできれば何とか間に合うかなとも思っていますが。GSには、ガレリアで有った時に一度参加したことがあります。児嶋さんとは、川柳と短歌の友達です。(朝日新聞京都版の投稿友達)

HK :私は大津から来ています。Global Sessionは、最近は毎月参加しています。仕事は、ツアーガイドをしています。外国へ連れていったり、ニュージーランドやアメリカからの高校生の旅行の受け入れなどもしています。日米の高校生を見ていると、考え方や習慣のちがいに気づきます。アメリカの高校生は、自主・独立性があり、はっきりしています。また、大統領が替わると自分達の生活も変わると知っているようです。日本の学生はあまり、政治に関心がないように見えます。

YI:亀岡のアミティとマツモト中央店の間にあるカフェタイムというコーヒー豆店をしています。仕事でコーヒー生産国に行くこともよくあります。京都にいるとあまり近くの人とつながりがなくてもやっていける感じですが、亀岡にいると、内輪のつながりを持たなくてはいけないような雰囲気がありますね。中米などは、銃規制もゆるい国もあり、なかなか危ないこともありますが、私は、どこの人も根本は同じと思っています。日本の女性評論家が最近、「日本人がそんなひどいことをするわけありません」などと言っていましたが、どうしてそんなことを言えるのかと不思議に思います。

グローバルセッション開始

北神:GSは、二回目です。「アラビアのローレンス」という映画を見たことはありますか?第一次世界大戦で英米がトルコに入り込んで、ローレンスも知恵の7柱というのを述べ、「2つの文化、2つの言語を通して生きる人間は気が狂ってしまう」と言っています。そのような2つの文化を見てみると、日本で当たり前と思うことが、アメリカでは、失礼なことと思われたり、全く反対な事になることもあります。糸井さんが言われたように、文化をはぎとれば、共通することも多いと思いますが。でも普通は過去からの文化の蓄積が身についていて、全くちがう文化に入ると自分の軸というものを持たなければ根無し草になると思います。

京都にいても、松尾地域と樫原地域は仲が悪いとか、せまく考えるとそうなってしまいます。自分の軸を持ちながら、排他的にならずに心の広さを合わせて持たなければ外国には住めないと思います。

父親は、私が9ヶ月の時にアメリカで事業を立ち上げました。昭和42年頃ですから、まだ第2次大戦後の人種差別も経験していたと思います。螺子やボルト、ナットなどを日本から輸入し、問屋に売るというような仕事をしていました。これは、ユダヤ人の業界があり、拳銃を向けられたこともあるようです。その父からは、「おまえは日本人やで。移民ではないし、いづれ、日本に帰る」と言われて育ちました。

アメリカに住む家族にもいろいろな家族があり、家でも英語を話すよう言っている人たちも、もちろんいました。アメリカになじんでほしいと うちの家では、家での言語は日本語を話すようスパルタで指導され、英語を話すとげんこつが飛んで来るくらいでした。でも、兄弟とは、英語で話していました。もし、朝日学園の補習校に行っていなかったら、日本の大学には行けなかったと思います。クリスマスよりも正月が重視され、母は他の家族のようにクリスマスをやりたいと言っていましたが、できず、簡単なプレゼントの交換だけがクリスマスの行事でした。アメリカではクリスマスが、家族中心の大きな行事でしたが。うちでは、その代わりに正月が重視され、母におせち料理作を父は強制していました。アメリカでは、当時日系人も4世くらいがいましたが、文化的には、日本でもアメリカでもない中途半端に見えることもありました。妹は、ひとりで高校生から日本に帰国し、ICUに行きました。

アメリカ人にとっては半分異邦人

自分は、9ヶ月からアメリカにいるので、アメリカ人と思っていました。最初はメキシカン街に住み、次は、日系人や中国系の多いモントレーパークに移り、最後は白人が多い、ブエナパークに住んでいました。 学校時代は友達とのつながりが中心の生活でした。学校では、アメリカ国旗に忠誠心を誓い、教科書の中でも、アメリカはすばらしい、自由の国と教わっていました。遊びに来たアメリカ人の友人達は、「日本人なのに、冷蔵庫がある」などと驚いたりしていました。基本的に他の国には、無知識で、アメリカは巨大な島かという感じでした。正月には、正座して今年の抱負を言えと言われる家に育った私には、何かが奇異に見え、小さいころから葛藤がありました。

アメリカの高校生は政治意識が高く、当時はレーガン大統領の時代で、青年部(レーガンユース)などが出来てきた時代でした。そのため、自分はアメリカ魂か日本魂かと常につきつけられているようで、自分自身のアイデンティが確立しにくい感じがしていて、「おれはアメリカ人か?」と悩んでいました。

差別意識ももちろんあり、親しくしていた友人が、「日本人のせいで、俺の親父が仕事を無くした」と言うのです。それは、日本がコピーしてクライスラーの製品が売れなくなり、会社から人員整理をされた」と私に向けて言うのです。

家族の基盤が大切と思い始めたのはそのころで、ようやく高校生になって日本人学校が楽しくなって来ました。母国に戻って生活してみたいと思うようになったのもその頃です。軸がないと、アメリカ人にも、日本人にもなれないと思い始めました。

いろいろな人種と付き合っていくと、「宗教は?」とか、いろいろ問われます。日本の文化の「おもてなし」などは、アメリカ人には、「めんどうくさい」とか、「放っておいてくれ」とか思う人も多く、ちがいがあります。

日本語の勉強

週に1回の補習校通いでは、まだまだ十分ではなく、1年間浪人生活もしました。その間、父からは、「おまえの力は、中学校程度だ」とも言われ、どのように勉強するかいろいろ考えて、1冊の本を徹底的に読み込み、それを書き写すということをやりました。

その中のひとつの語彙がわからなければ、辞書で調べ、一日10時間から、12時間ほど集中して勉強をしました。漢和辞典の「てへん」は、辞書の394ページというくらい、覚え込んでやっていました。読み書きはだんだんできるようになったのですが、自分の話し方が固く、話しているのに、いろいろな難しい語彙も出て来て、「文語的だ」とさえ、言われました。政治家の前原誠司さんは、「君は当時、自分のことを拙者はなんて言っていたよ。」などと冗談で言うくらいです。

日本語の難しさは語彙が多いからとよく言われますが、実は英語も語彙はとても多いのです。私は、日本語の難しさは、以心伝心に頼る話し方をするからだと思います。もともと日本語は、同じ境遇に生まれ、育った人間の集まりというのが基本なのですが、アメリカは、ちがうのが当たり前で、まず、基本を出さなければ理解されないというのが基本の考え方です。以上が今回の私の意見です。

全体セッション開始

藤田(コーディネーター):剣道も3段とお聞きしかしたが、アメリカにいたときからやっていたのですか?

北神:いいえ、日本に来てから4年間で取りました。アメリカでは身体が大きいこともあり、アメフトに誘われ、やっていました。 日本語の学習を集中してやったおかげで、「努力とかこういうことか」と理解しました。 何かを身につける努力の仕方を学んだと思います。

藤田:野田内閣の時に、野田さんは、国会議員の数を減らすなら衆議院を解散しても良いといい、解散しましたが、当時北神さんも仕事をされていましたね。

北神:当時私は、首相補佐官をしていました。

藤田:野田さんは人がいいのか、解散しても、安倍首相は約束を守りませんでしたね。

YI:アメリカ人は、差別についてまじめに取り組んでいる人もいますね。差別的なことばを最近は言い換えています。黒人をblackとは、言わずに「アフリカンアメリカン」と言ったり、メーリークリスマスと言わずに、ユダヤ人も多いのでキリスト教のクリスマスとは言わずに、「Happy Holiday」と言い換えたり。「チェアマン」を「チェアパーソン」になど。

日本の政治家は、今でも顔や身体の形に言及したり平気で言っていますが。でも、政治的に正しくてもいきすぎると話しずらくもなりますが。トランプ大統領になって、差別的な言動を連発し、それによって反動的な人々は乗っていくのがストレス解消しているようにも見えます。

北神:黒人は奴隷でアメリカ大陸に連れてこられたと言う歴史があり、そうでなかったアジア系の人々を黒人は憎いと思っているような。

YI:コーヒーの買い付けでアフリカに行くと、荷物係でもアジア系に対してえらそうな態度を取ることがあります。もともと、外国から来る人に厳しい政策をとっていた歴史があるからでしょうか。

KA:トランプになびくように、独裁政権が増えて来ました。バイデンさんが勝ってブレーキがかかるかと思いますが、シリアとイスラエルのように闘いがひどくなってきたりもしています。世界の流れはどうなるのでしょうか?

北神:独裁国家にも2つの種類があると思います。一つは、中国やロシアのように、自分の任期を長くしてでも独裁を保つ国家ともう一つは、トランプのように民主主義国家を自称しながら、独裁体制を選ぶような国家です。格差が広がると、ガツーンと強制的にまとめてほしいという願う人が増えて来ます。日本でも小泉さんや安倍政権のころから出て来ました。今は、コロナでますます格差が広がっています。ギリシャのアリストテレスは、「格差が広がると乱れる」と言い当てています。中国の存在も無視できません。独裁者の方がコロナを退治してくれるというような思い込みを持たせる傾向があります。経済状態も、数年でアメリカを追い抜くでしょう。こうなると、民主主義国家と言われる所でも、「独裁政権の方がいいのではないか?」と思う人が増えてきています。

児嶋:ひまわり教室に話を戻しますと、言語の習得についての課題もたくさんありますが、保護者の方もいろいろな人がいて課題もたくさんあります。北神さんは英語社会に生きてきて、日本語を学ぶこともやって来られましたね。

北神:外国にいて親の母国語を学ぶには、親の理解がないと難しいです。私も小学生から高校まで土曜日に補習校に通いましたが、自宅からバスに揺られて朝早くから通い、8:30から5:00までも土曜日の遊びたい盛りに行くわけで、いやでたまらなかったのですが、親がどうしても行けというので、通っていたのですが。

TY:苦痛とかなかったのでしょうか?ひまわり教室でも、子どもが来ないというと親もその通りにして来なくなる子どもたちもいます。

北神:子ども達にも2つのタイプがありました。一つは、ずっとアメリカにいる子どもたちと、商社勤務の親といっしょに来て、数年で日本に帰国することが明白な子どもたちといます。 私は、帰るつもりはない方だったのですが、補習校へ行くのがいやでいやで、その苦痛でストレスになり知らない間に毛をを抜いていたようです。大きな  はげのようなものができていました。でも高校に入学するまでは、日本に帰るなどとは全く思っていませんでした。日本の昭和40年代の文化をアメリカに移していたので、実際の日本とはずれていたはずです。保護者の授業参観で母親が補習校に来ると、「もうここへ来るのはやめたらどうですか?」と先生に言われていたようです。 そのようにして小学1年から高校生まで行っていました。今は、親が、子どもに「こうしなさい」などとは言わないと思いますが。

TY:でも親の姿勢が大切ですね。3年生や4年生の子が文法につまずくと、応用問題の理解はなかなか難しいですから。家庭の中でどのように勉強に目を迎えるかも大切です。

児嶋:ひまわり教室でも子どもが母親が通訳のようにしていて、その母親が来なければ来るのがいやと言ったら、そのまま受け入れるケースがありました。

藤田:トランプさんは、コロナがアメリカで広まった時に、「予算として1兆円ほどつけるから薬を開発せよ」とすぐ言いました。Warp Speed(ワープスピード:急速)でという単語も言っていました。日本の安倍さんは、「薬は打ち終わるよ」と言いながら、予算化もせずに、Go to travelなどもやり、日本の政治家の判断はまちがっているのではないかと思います。学術会議などの問題もありましたし。

北神:アメリカが1兆円と言っていた頃、100億円ほどを考えていたと思います。それに、日頃からアメリカはワクチンにお金を入れることを考えていて、バイオテクノロジーを他の国に売ろうとしていました。そのために、ワクチンも早くに承認ができたのだと思います。2001年にサーズがはやった時にコラナのような新種のウイルスが発生する可能性は実は、想定されていたと思います。

藤田:早く政治家は認識してほしいです。

北神:安倍さんも管さんも、そんなにコロナはたいしたことはないだろう。風邪と同じでインフルエンザは毎年もっと死んでいるなど最初に言っていましたね。それより経済を回そうとGo To イベントなどもやっていたと思います。オリンピックがあっても。

藤田:最近はよくわからないことも多く、テレビを見ているだけで腹が立つことが多いです。

北神:コロナ対策をしながら経済を回そうとしたスエーデンは失敗して方向転換をしましたね。コロナを撲滅したら経済は伸びるとようやく気づいて来ました。英国は訓練を受ければ注射ができる制度を入れて、ワクチン接種を進めました。危機感がちがうと思います。

藤田:今は経済も後退していますね。ワクチン製造にもお金を出してこなかったし。

YI:ひとりひとりの命を軽く見ていると思います。オリンピックをこの状況の日本で開催するとまだ言っていますね。

北神:先ほどワープスピード(超高速)という言葉が出てきましたが、日本は準備不足が見えますね。注射をたくさんするにも、医師法を改正してもっと注射を打てる人を多くしなければならないのですが。ベッド数では、実は日本は世界一です。法律が危機の時を想定していないという状況があります。

児嶋:ドイツのフランクフルトにいる友人から聞いていますが、戒厳令下といっても状況は全くちがいます。これが出されているときには、2人以上で出かけても逮捕される時期もありましたね。

北神:「これくらいしてもたいしたことないだろう」と思うことは人災でもありますね。

藤田:これで、12時畔近くにもなりましたので、今日はこれくらいで終わりです。ありがとうございました。

児嶋:感想や質問があれば、送ってください。レポートを仕上げ、北神さんにもお送りしますのでよろしくお願いします。

感想集

TYさん:北神圭朗さんのお話を初めて聞かせて頂きました。これまで、政治的な関わりは苦手でした。でも児嶋さんからお聞きしていた通り、分かりやすく、面白く、興味深かく、まるで映像を観ているかの様でした。幅広い経験をされているので、説得力と深みを感じました。政治に対して「信頼を軸」とした政治家を、北神圭朗さんに見出せた気持ちです。貴重な時間を与えて下さり、ありがとうございました。

TYさん:ご家族でアメリカに移住し、父親の仕事の関係で何度も引っ越しされ、18年間スゴされたとお聞きしました。アメリカでの生活はたいへんだったろうと実感しました。その体験は、現在、ひまわり教室に関わる子ども達の生活環境と同じところもあり、子ども達が軽々している差別、偏見、いじめ等を直接肌で受け止められた方のお話しが聞けてとても良かったです。特に、父親の「日本人としての誇りや考え方を持て」と言われたことが、北神さん自身を強く、たくましくさせたのでしょうね。(忍耐力と努力)

やはり、子ども達は遅くからまた勉強に来るのがいやそうですが、いやいやでも、ひまわり教室に通うことの大切さを実感しました。北神さんのご本人の努力、考え方や日本人魂に感じられましたが。

現在のひまわり教室の子どもたちの日本語に対する難しさは同感します。もっともっと教えて行きたいです。教室の保護者の方にも聞いてほしいです。

また、政治、経済の話でも盛り上がっていました。米国、中国などとの日本の違いや、各国大統領の個性なども。コロナ対策に対する各国の取り組み方のちがいも出ていました。さまざまな意見交換の場なので、もっと時間がほしかったです。

北神さんのような外国と対峙できる方が政治家としていてほしいです。活躍されることをのぞみます。本日はありがとうございました。(北神さんの忍耐力、努力、かざらないお話しに拍手!)

藤田:国際的知識のある方、しかも政治もわかる方のSession hは最高です。本当に短い時間でしたが楽しかったです。もう少しお時間があればいいなぁと思います。感じ入ったのは、1冊の本を1日10~12時間かけて読みこみ、更には書き写した点、並大抵の努力ではできない。「努力は実を結び、愛に満ちた」社会になってほしいと祈ります。次にお会いできる日を楽しみにしております。 

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