2022/01/05

2021年12月19日(日)第347回グローバル・セッション&クリスマス会レポート

開催後のレポート
グローバルセッションイメージ

開催日:2021年12月19日(土)10:00~12:00
場所:ガレリア1階 工作室
ゲストスピーカー:タデウス・オジュグ・アダムさん(ポーランド出身・大学講師)
コーディネーター:亀田博さん(ツアーコンダクター)
参加者:子ども4名 おとな18名 合計22名
共催:亀岡国際交流協会

 今回のタイトル:「 ポーランドのクリスマスについて

今回は、ポーランド出身のオジュグさんをお招きしてポーランドのクリスマスのお話を伺いました。

ひまわり教室の子どもたちや保護者の方がたもたくさん参加していただきました。

ひまわり教室とは、外国につながる子どもさんや保護者の学習支援を主な目的にした学校外の教室です。亀岡で2014年から開講しています。現在は、10名くらいの指導者の方々と、月に2回開催しています。 

オジュグさんのお話

「ポーランドでは、クリスマスの伝統を大事にしていますので、たくさんの方に楽しんでいきたいです。クリスマスプレゼントもおとなになったら、減るかもしれませんが、子どもの時には、サンタさんがもっと持ってきてくれたら、楽しくなるのにと思っていました。クリスマスのこの時にしか食べられないごちそうがあり、1年中、この日の食べ物を食べたいと心待ちにしていました。

ピエルニキというクリスマスのお菓子を昨年みなさんと作りましたが、これは、ポーランドとドイツが発祥のようで、その後、イギリスやアメリカに伝わったようです。ジンジャープレートと思われているようですが、ポーランドでは、もともとジンジャーは入っていなくて、ライ麦とハチミツが主原料で、最初は胡椒だけが入っていて、後はクローブやナツメグやシナモンなども入れるようになりました。

最近はコロナでオンラインでの話が多いですが、クリスマスというお祝いの体験はやはり直接会い、情報だけではなく、五感と通して、クリスマスの音、味や香りも楽しむことが大切と思います。クリスマス前のピエルニキを焼く匂いが家中にこもり、もうすぐクリスマスと心待ちにしていました。もうひとつのクリスマスの匂いは樅の木の香りです。

今は、クリスマスツリーも買いますが、昔は24日の朝に樅の木を切ってきて部屋に立てていました。その樅の木の香りがクリスマスのもうひとつの大事な匂いなのです。ポーランドのクリスマスは24日に始まり、それから1ヶ月続くのです。

この日の前夜祭ディナーは普通は肉を食べないアドベント断食期間になります。酢キャベツをメインにしたビゴスという料理は少し肉が入りますのでクリスマスの2日目に食べる家が多いです。ビゴスに入れるザワークラフトは、今は缶詰もありますが、昔は冷蔵庫もなかったので、自分でキャベツを細かく切って塩に漬けました。酢は入っていなくて自然な味です。ビゴスはそれぞれの家庭の味があるのですが、トマトと肉とサワークラフトが材料で、それぞれの家で好きな味を楽しんでいます。

Bigosの作り方

材料:サワークラフト缶または瓶 500グラムくらい

   豚もも肉 60g・ウインナーソーセージ 8本・タマネギ 小1個

   干ししいたけ 4~5枚・赤ワイン 大さじ2杯(オプション)・

   トマトピューレ 50g・ケチャップ 少少・月桂樹の葉 3~^4枚

   コンソメ 3~4個・塩 こしょう 少少・水 400cc

1.サワークラフトを洗ってから鍋に移し、水とコンソメを加え、30分煮込む。

2.豚肉とソーセージを切ってフライパンで炒める。炒めた肉とソーセージを鍋に入れる。

3.タマネギを切って炒めて鍋に入れる。

4.もどしておいた干ししいたけは、1cmの幅に切って、鍋に入れる。

5.ピューレとケチャップを加え、サワークラフトが柔らかくなるまで煮込む。赤ワインと塩とこしょうで

味付けする。

クリスマスについて

ポーランド語では、クリスマスは、Boże Narodzenieといいます。Bożeのzの上には点がつきますが、これは、中国語のピンイン(発音記号)の「r」の音に似ているので中国語を話す方は正確に発音できます。他の言語にはあまりありません。

イブのディナーの品数は家庭や時代によって異なり、3品、7品、9品、15品などになりましたが、最近は12品(12ヶ月・12人のキリストの弟子)が一番多いです。ビゴスやピエルニキの他には甘いスイーツとしてけしの実のケーキがあります。薄力粉を使い、けしの実、はちみつ、アーモンド油などを使います。それ以外に麦、けしの実やはちみつを使ったクティアという一品がありますがこれは、リトアニアが発祥と言われています。じゃが芋をすりおろし、パンケーキのように油で焼くプラツキ・ジェムニャチャネという料理を食べる人もいます。

クラクフという町にはおもしろい習慣があります。イエスが生まれる時に人形をかざる習慣があります。お城のような建物を作り広場に飾るコンクールがあります。

また、クリスマス期間中にイエスが生まれる場面を形作り、保育園や幼稚園で親の前で演技するイベントがあります。「舞台に立ってみたい」という願望を表現することができます。

クリスマスイブには、「きよしこのよる」を歌い、ディナーを食べて教会の夜中のミサ(12:00)に行き、クリスマスのスタートです。

参考:ポーランドのクリスマス(wikipedia)

参加者のレポートです。

E・Nさん

「久しぶりに亀岡でみなさんに会えてうれしく思いました。特に中学3年生になったWくんがすっかりお兄さんというか、若者?に成長していて、驚きました。またひまわり教室に来るようになって、うれしいですね。みんなで声掛けすることが大切じゃないかと思います。

 夏休み明けに編入したCくんがまずまず日本語を伸ばしている(あるいは思い出している)という様子も伺いました。みなさんの努力の成果ですね。

 Tさんと私はHSさんと話したいと思っていました。サムくんの誕生をテーマに新作絵本を考えています。生後2か月で6キロ越えたそうですが、Tくんが生まれたときはもっと大きかったそうです。Tくんはお兄ちゃんになって、危なっかしいくらいサムくんのお世話(ちょっかい?)をしてくれるそうです。Lさん(姉:小5)は妹が欲しいと強く思っていただけに、相変わらずビミョーな(冷淡な?)反応をしているそうです。でも、サムくんが、Lちゃん以外の人があやしたり、何かの音にきゃっきゃっと笑って反応したりするのを見て、関心を示すなど、変化もあったそうです。Tくんが生まれたときLさんは2歳半くらいだったそうですが、盛んにお世話したそうです。でも今回は思春期に達していることもあって、かなり違う反応を示しているようです。これも成長でしょう。

 ポーランドのお話はとても楽しく拝聴しました。寒い地方のお料理は今の季節にぴったりですね。機会があったら訪ねてみたいと思いました。1時間半以上子どもたちはとても大人しく聴いていたと思います。子どもたちも楽しめるように、ちょっと子ども向けのクイズとかを、他の人も手伝って準備しておいたらよかったんじゃないかと思いました。」

H・Tさん

「久しぶりにひまわり教室の先生方や参加者の皆さんにお会いできて、嬉しい時間を過ごさせていただきました。ポーランド、こんな機会が無ければほとんど何も知らない国のままでした。

少し話を聞くと、急に身近に感じ、もっと知りたくなります。コロナ禍が終ったら、行きたい国がまた一つ増えました。ステキな時間をご準備いただいた皆様に感謝いたします。」

R・Sさん

「Global Session&ひまわり教室クリスマス会、ありがとうございました。

T君はお休みだったので、他の子たちの様子を見ながらゆっくりさせてもらいました。K・Yさんの用意されたカタカナや漢字学習の教材がよくできていて、感心しました。何度でも繰り返し使える優れモノで、子どもたちは遊びながら楽しく学んでいました。

W君はいい表情で参加していて、K・Iさんと楽しそうに勉強していました。

オジュグさんのお話は、とても興味深かったです。

その日だけでなく、その日までにするお料理や飾りつけなどを含めてのクリスマスなんですね。

日本のお正月もそういうところがありますが、それこそが文化だと思いました。いつかポーランドのクリスマスを見てみたいと思いました。(苦難の歴史を歩んでこられたことも胸に留めつつ。)

T・Yさんの用意して下さった子どもたちへのプレゼント(クリスマスのオーナメント?)がすてきでした。」

K・Yさん

「とても楽しい時間でした。オジュグさんのポーランド愛を強く感じました。‘’ピェルニキ‘’ ‘’ビゴス‘’の作り方を楽しそうに話され、作ってみたくなりましたが、材料の種類の多さにとまどってしまいました。 2015年の12月にポーランドを訪れました。でもツアーですので、ワルシャワで2泊した中の1日だけだったのが残念でしたが、オジュグさんのお話を聞きながら、ワルシャワの静かな街のクリスマスツリーを思い出していました。広場をカラフルな上着を着て並んで歩く幼い子供達!!   ショパン博物館でのワルシャワ大学の先生のピアノコンサート!!  が忘れられない素敵な思い出です。」

K・Iさん

「ひまわり教室は前半30分で、あと12時まではグローバルセッションでオジュクさんの「ポーランドのクリスマス」でした。W君は、席に着くや否や「先生これ教えて」。見ると京都の府立高校の入試過去問題集の数学2ページ八問!ワオー!早速取り掛かりますが本人は涼しい顔!(おーい 誰の勉強なんよー) けど「解からんかったから教えて?」そのとーり あんたは正しい。おかげで私は四苦八苦。そのうちにGSの自己紹介とクリスマスのお話が始まりました。こちらは入試問題と格闘中なのに「今年も僕、サンタの服着るの?」「知るかーい 今年は勉強だ」 けれど彼はさっさと一番前の席で小学生の生徒とポーランドのクリスマスやごちそうの話を楽しそうに聞いてます。まあいいか!

けれど そろそろ 集中して勉強しろよ 家で 。今でしょ ラストコーナーもう回って直線ですよ!!」 

T・Yさん

「ポーランドのクリスマスについての楽しいおはなしでした。24日のイヴのディナーなどの過ごし方がよくわかりました。肉無しの料理でキャベツをいろいろに使うとか。料理の数は12種類と決まっていて、家族で過ごす大きな行事であるが、だれが来てもいいように、皿の数を一皿ふやしておくとか。ケーキにはくるみやハチミツ、けしの実のクリームを入れるとか。

ポーランドの町並みの風景がとてもきれいでしたね。子ども達も白い衣裳を着てかわいかったですね。

 こちらでも「きよしこのよる」を歌い、亀田さんからのポーランドのチョコレートのプレゼントもいただきました。ポーランドのことばでの歌は、むずかしかったですが、ゆっくり練習しました。このような機会を持って、自分たちの五感を通して、いつかは形に残していきたいですね。」

O・Rさん

「クリスマスのお話しを聞くのは大学以来です。オジュグさんは、ポーランドのクリスマスの過ごし方について紹介していただきました。一番印象に残ったのは、クリスマスイブに家族でお食事する際に、人数分より1セット多く食器を用意するということです。お話しを聞くだけで、温かさを感じました。子どもたちにとっては。ちょっとお話しが長かったかと思います。ピエルニキ作り体験を楽しみにしています。」

K・Yさん

「『サンタさんからクリスマスプレゼント(ほしいもの)がもらえる日』となってしまっている日本の商業クリスマス。オジュグさんのお話を聞いて、クリスマスの宗教的な意味を知ることができました。ピェルニキの香、もみの木の香がするポーランドに行って、キリストが生まれたところを再現したクリスマスの飾りを見てみたいです。日本では、もうすぐお正月です。お正月は本来、家を綺麗にして、ご馳走を作って年神さんを迎える宗教的な行事ですね。文化、伝統を大切にするためにも、お節料理をがんばって作ります!ピェルニキも作ってみたいです。オジュグさんの次回のglobal sessionを楽しみにしています。」

M・Sさん

「オジュグさんにお会いできて嬉しかったです。ポーランドの落ち着いたクリスマス飾り、家庭の味のクリスマスのお菓子や料理。国によっての違いを感じることができました。食卓に誰が来てもいいように常に1人分は余分に準備している、って素敵ですね。その席が埋まったら、また次に一人分の席を用意する。迎える人々の暖かさを感じます。クリスマスはみんながhappyで過ごせるように、というポーランドの人達のおもてなしなんでしょうね。

こういうポーランドのクリスマスは大切に受け継がれてきて、伝統となっているけど、伝統だから守っていかなくてはいけない、と考える必要はない。というオジュグさんの言葉が印象的でした。楽しいから楽しむ、国や家族の伝統のよさを大切にしたいから守る、そういう考え方なんですね。伝統は守り継いでいかなければならない、廃れさせてはいけない、と思うと義務や責任にとらわれてしまう。そうなると楽しくないし、しんどくなる。確かに、その通りだと思いました。私の身の回りにある日常的な伝統や文化に、この考え方で接してみようかな、と思いました。」

Y・Cさん

「2021年12月17日、グローバルセッションに参加させて、ポーランドのクリスマスについてのお話を聞かせて頂き、ポーランド文化に触れることができました。

料理が大好きな私は、材料を用意して、作って、写真も載せようと思っていましたが、残念ながら、仕事でバタバタして、できませんでした。お正月休みに作る予定です。楽しみにしています。

本当に素敵な時間を過ごさせて頂きました。感謝しております。また、参加できることを楽しみにしています。」