2022/12/30
2022年12月18日(日)第358回グローバル・セッション&ひまわりクリスマス会レポート
開催後のレポート開催日:2022年12月18日(日)10:00~12:30
場所:ガレリア1階 創作室&クラブ室
ゲストスピーカー:テオ・ディアスさん(ブラジル出身・日本語学校学生)
コーディネーター:亀田博さん(ツアーコンダクター)
参加者:GS&クリスマス会 32名 リユースの会:20名 合計52名
当日プログラム
2)開会の挨拶
司会:亀田さん 10:00
はじまりのあいさつ:児嶋きよみ 10:00~10:05
2)Global Sessionの開始 10:05~10:40 (35分)
テオさんの自己紹介とおはなし
グローバルセッションのタイトル:「夏のクリスマスって知っていますか?」
ブラジルの12月は夏なのです。サンタクロースは来るのかな?
ブラジルの絵本の読み聞かせ 10:40~10:55(15分)
日本語:山添きみ代さん ポルトガル語:テオさん
3)ひまわり教室クリスマス会(11:00~11:35)(35分)
横井照美さんとクリスマスかざりや正月のかざりを作りましょう。
4)ひまわり教室の保護者の絵本の紹介(YouTubeより)11:35~11:50(15分)
滑川恵理子さん&田中ひろこさん&品田井サフワンさん(日本語&アラビア語)
テオさんの友人・民際日本語学校の学生
5)リユースの会からクリスマスプレゼント(11:30~12:30)
案内:日本語教室の先生方といっしょに教室に来場し、プレゼントを選ぶ
日本語教室の参加者:20数名
グローバルセッション開始
テオさん:みなさん、メリークリスマス!今日は、ブラジルのクリスマスについてお話しします。ブラジルでは、メーリークリスマスをポルトガル語で、Feliz Natal(フェリス ナタウ)と言います。ブラジルの総人口の半分は、カソリックです。ブラジルでは、クリスマスは、家族で過ごすと考えられていて、正月はそうでもなく、恋人といっしょにいることもあります。日本では、クリスマスに恋人と過ごすこともあるでしょう?正月は家族と過ごすかもしれませんが。大分ちがいますね。
ブラジルのクリスマスは、悲しいことに、暖かいので、雪がふりません。クリスマスの時のみんなで言い合う言葉があります。Var Com Dios(バーコン ディオス)と言い、意味は、神のおかげで、神と共に歩いてこられましたというような意味です。クリスマスに集まる家族は、日本とちがって、多人数です。父・母・祖父・祖母・兄・姉・弟・妹・伯父・叔母などつながりのある人はみんな寄り会います。私は、祖父母の家がいちばん大きかったので、そこに毎年集まりました。遠くからでも帰ってきます。もちろんお金もかかります。
クリスマスの1日か。1日前に集まり、みんなでたくさんの料理を作ります。そこでは、自分たちの家の特徴のある料理を作ります。ブラジルには、いろいろな文化の背景のある人が集まっているので、料理もいろいろあります。例えば、ポルトガルやイタリア系は、魚の鱈を使い、イタリア系は、スパゲティやラザーニャです。
クリスマスの料理はいつもおいしくてすぐ食べてしまうので、写真があまりないのですが。パステル デ ナタウ(クリスマスのパスタ)などは、100年前から作っているでしょう。ちいさいのを、500個ほどみんなで作るのです。
クリスマスのプレゼントは、参加者全員に配ると、大変なお金がいるので、みんながもらえるように、考えています。まず、自分の名前を書いた紙をくじびき箱に1枚入れます。その後、それぞれが自分以外のカードを1枚拾い上げます。それを見てだまって、その人用のプレゼントを買い、箱に入れて、クリスマスツリーの下に置きます。それを、あとで、みんなで開けるのです。これをシャレードと言います。
みなさんにもカードを配るので、自分の名前を書いて箱に入れてください。その後、一枚カードを引いてください。その人のプレゼントを用意するのです。秘密のままにね。
テオさん:質問はありますか?
S・Yさん:今年はブラジルの家族のところに帰りますか?
テオさん:帰りません。
H・Tさん:コロナの時も集まっていましたか?
テオさん:クリスマスだけは集まっていました。ひとつ言い忘れていましたが、小さい子が来たら、どこの子でも、大人は必ず、プレゼントを用意してあげます。
M・Fさん:クリスマスイヴは、夜通し続くのですか?
テオさん:24日のイヴは、午後6:00ころに来て、11:00か、12:00ころから、パーティを始めます。そして、いっぱい飲んで、食べて朝の2:00ころ帰ります。
M・Fさん:50人ものひとが寄り会って、一度に帰るのは、大変でしょう?
テオさん:父の方の家族と母の方の家族が、仲良しだったら、いっしょにやることもあります。25日は、反対に何もしません。クリスマスツリーの下にあるプレゼントをそれぞれの家族でもらいます。ですから、24日は、パーティーでみんながひとつもらい、25日は自分の家でもらうので、2回もらうことになりますね。
M・Fさん:キャンドルサービスはありますか?ろうそくをつけて町を歩くような。
テオさん:しませんね。
ポルトガル語を話してみましょう。
おはよう:Bon dia(ボン ジーア)
こんにちは:Boa tarde(ボア タルジ)
こんばんは:Boa noite(ボア ノイチ)
出かける時には、 Ate logo(アテ ロゴ):またね。 Tchau(チャウ):じゃあね。
元気かな?:Oi tudo bem(オイ、 トウド ベン)?
元気だよ:Tudo bem, obrigado(トウド ベン)
ありがとう: 男性 Obrigado(オブリガード)
女性 Obrigada(オブリガーダ)
クリスマス おめでとう:Feliz natal(フェリス ナタウ)
ぼく・わたし: eu(エウ) きみ・あなた: voce(ボセ)
おとうさん: pai(パイ) お母さん: mae(マンイ)
兄・弟: irmao(イルマオン) 姉・妹: irma(イルマ)
ブラジルの絵本の読み聞かせ
亀田さん:では、Global Sessionを終わります。次は、ブラジルの絵本を読んでみましょう、
山添きみ代さんどうぞ。
山添さん:「ヤチのお人形」というお話しです。
(センドレラ 文・グロリア C.バイベ 絵 はせのしろう訳)
ひまわり教室クリスマス会
亀田さん:次は、ひまわり教室のクリスマス会です。横井さんどうぞ。
横井さん:クリスマスの飾りを作ります。いろいろ材料がありますから、つくって見てくださいね。
好きなかざりをプレゼントしますので、自分のができたひとは、前に取りに来てくださいね。
ひまわり教室の保護者の絵本の紹介
亀田さん:次は電子絵本の紹介です。滑川さんどうぞ。
滑川さん:この絵を描いたのは、先ほどまでいらっしゃた田中ひろこさんです。この本の内容は、シリア出身のお父さんの品田井サフワンさんにインタビューをして作り上げました。
「アー、ガッ!わらった わらった」アラビア語と日本語で音が出て来て読んでくれます。
YouTubeの「たげんごオリジルえほん」と探したらあります。今までに作った絵本もあります。
1.みんなそれぞれはんこうき(アラビア語&日本語)
2.みんなそれぞれはんこうき(中国語&日本語)
3.みんなそれぞれはんこうき(スペイン語&日本語)
4.きっと いつか(品田井サフワンさん:シリア出身)(アラビア語&日本語)
5.おばあちゃんは おこりんぼ(スセットさん:メキシコ出身)(スペイン語&日本語)
6.ヤンヤンちゃんとおにいちゃん(Kさん:中国出身)(中国語&日本語)
これに、7.『アー、ガッ! わらった わらった』が加わりました。
児嶋:3人目のあかちゃんを家族みんなで迎えた記録が絵本に残りましたね。シリアのおじいさんやおばあさんともタブレットを通じてそのまま伝えられてよかったですね。
今日はこれでおわりますが、となりにクリスマスプレゼントとして、リユースの洋服がいっぱいあるので、持って帰っていいです。紙のふくろもプレゼントです。
おみかんが、ひまわり教室の松田真美さんからのプレゼントであるので、みなさんにさしあげます。持って帰って食べてくださいね。
では、次は1月7日(土)にひまわり教室で会いましょう。
参加者の感想
山添きみ代さん
「ブラジル絵本『「ヤチのおにんぎょう」C・センドレア/文 グロリア・C・バイべ/絵 はせがわ しろう/訳』を児嶋先生から「テオさんと読んで下さい。」と渡して頂きましたが、時間の都合で日本語訳を私だけが読むことになりました。そして絵本をめくる役を山田先生に突然お願いしましたが、心よく引き受けて下さり2人で読み聞かせをしました。 ヤチはブラジルの女の子です。自分がトウモロコシで作ったお人形クルミンといつも遊んでいます。お母さんは、お手伝いをしないヤチに、ききわけの良い子になってほしくて「お人形を捨てますよ!」と怒りました。ヤチはびっくりし、砂浜へ行きました。そして亀が産んだ卵を砂に埋める様に、ヤチも人形を砂の中へ隠しました。それから雨の季節がきて、雨はいつまでも降り続きました。やっと雨が止み、ヤチが砂浜に行くとそこにはトウモロコシのちいさな双葉🌱が芽を出していました。その後そこには、沢山のトウモロコシがなり、そのひとつ取って、ヤチはまたトウモロコシのお人形を作りクルミンに会えたのでした。女の子はどこの国でもお人形が大好きですね!」
田中ひろこさん:絵本作家
「用事があったのですが、ブラジルのお話をどうしても聞きたくて、最初だけ参加させていただきました。クリスマスは、親戚が集まるとても大切な日と心に根付いていることが、よく分かりました。でも、「僕はクリスチャンじゃありません」と平然とおっしゃったのには、驚きました。まだまだ、私たちが知らないブラジルの常識がありそうで、もっとお話を聞きたかったです。「アー、ガッ!わらった わらった」を見ていただいてありがとうございました。サム君がお腹にいる時から、サフィーさん・ヌーラさんにインタビューして、話を練っていました。でも、「アー、ガッ!」とあやすことは、大夢君と雑談している時に聞いたのです。今回は動画のみということで、動かしやすさを意識して作画しました。このレポートで、皆様の感想を読めることを楽しみにしています。」
横井照美さん:クリスマスのかざり交錯担当
「ブラジルのクリスマスは、夏なので、ホワイトクリスマスではないそうです。お正月は自由に友達と会います。クリスマスには、30人~50人もの家族や親戚が集まり、みんなで宴会のようなことをして集まります。(ハッピークリスマス!)パネトーネという甘いパンも用意して食べます。そのほかにも地中海料理や、クリスマス菓子をみんなで作ります。
遊びでは、「シャレード」のゲームをして、ひとりひとりにプレゼントをあげるためです。
『ヤチのお人形』は、とうもろこしの葉の話で楽しい話でした。
クリスマスの工作は、リースとサンタカードを作りましたが、楽しく作っていました。
サフィーさんの電子絵本は、サフィーさん一家の愛ある生活がよくわかり、よかったです。」
滑川恵理子さん:電子絵本制作者
「みなさまに会うのは久しぶりでした。今回は、デジタル絵本の新作『アーッツ、ガッ!笑った 笑った』をみなさんに紹介するのが主な目的で参加させていただきました。
みなさんご存じのように、サフィーさんたちに三人目のお子さんが生まれました。それにまつわるエピソードもとに作成しました。物語の詳細はウエブサイトで公開されているデジタル絵本をご覧ください。
「たげんごオリジナルえほん」と検索するか、以下のQRコードをご利用ください。
デジタル絵本では、サフィーさん一家全員がアラビア語と日本語で熱演します。エピソードの聞き取りから完成まで、半年以上の時間がかかりました。途中夏休みに一家はシリアに帰国したので、その間は中断しました。でも、帰国したおかげで、普段アラビア語に接することがないRさんとO君がアラビア語を話すことに自信をもてるようになりました。絶好の機会だったかもしれません。
11月の日曜日、サフィーさんのご自宅に伺い、録音を撮りました。最近「難しいお年頃」となっているRさんが気持ちよく協力してくれるかどうか、サフィーさんが気をもんでいましたが、非常にうまく行きました。まずO君の録音を撮りましたが、その間Rさんは機嫌よく待っていてくれました。サフィーさんは二人に時に少し厳しくアラビア語の発音指導をなさいましたが、二人とも期待に応えてくれました。
クリスマス会当日、Rさんはバスケの練習のため欠席でしたが、O君は参加、いつものように、担当の山田先生の隣に座っていましたね。始まる前、私はO君に声掛けして「デジタル絵本をみんなに見てもらうけどいい?終わったとき、ちょっとO君に話を聞きたいけど、インタビューみたいにしていい?」と聞いてみました。彼は「いいよ」と言ってくれました。
後で山田先生に伺ったんですが、O君はデジタル絵本の上演が始まるときに「ぼく、アラビア語で話すんだよ」と山田先生に話したそうです。自ら信頼している人にそう話したということは、二つのことばができることに誇りをもっているからだと思いました。それこそが、私たちのねらいですので、彼のこの自発的な行動を何よりうれしく思いました。
終わったとき、O君にマイクを差し向けて「アラビア語頑張ったね。どうでしたか。」と尋ねると「夏休み、シリアでおじいちゃんたちとアラビア語で話しから…」と答えてくれました。ことばには人がつながっている、親しい人たちとの掛け替えのない時間が彼の中でアラビア語を育てていると実感しました。
今回も情感あふれる絵を描いてくださった田中ひろこさん、いつも協力してくださる児嶋さん、そしてみなさんに心から感謝しています。」