2024/04/15

2024年3月24日(日)第373回グローバル・セッション・レポート

開催後のレポート
グローバルセッションイメージ

開催日:2024年3月24日(日)10:30~12:30
場所:ガレリア3階 会議室
ゲストスピーカー:張穎(ちょうえい)さん
コーディネーター:亀田博さん(ツアーガイド)
参加者:14名

 今回のタイトル:外国にルーツを持つ子どもたちとどのようにして関係を短縮できるか についてかんがえましょう

参加者自己紹介

亀田さん(コーディネーター):今回は373回目になります。1999年から開始し、以前は、月に2回か、3回やっていたこともありますが、現在は月に1回のベースでつづいています。ゲストも以前は、留学生とか、外国の方がほとんどだったのですが、最近はバラエティに富んだゲストで、ゲストメンバーも変化してきています。

 今回のゲストの張穎さんは、中国出身で、2月には、宇治市から亀岡市に引っ越しをして来られ、亀岡市民になられました。亀岡もいろいろな国の人が増えて来ていますが、ひまわり教室という外国にルーツを持つ子どもと保護者の学習支援教室を中心に、張穎さんに話していただきます。言語や宗教の課題もあり、難しいことが多いですが、いっしょに話をしていただきたいと思います。

 まず、自己紹介からお願いします。

W・Wさん:中国の大連出身で、22年前留学に来て、今京都で自分の観光会社を持っています。京都に住んでいます。

E・Tさん:島津製作所で働いています。ターボ分子ポンプの製造をしています。最近、会社で、発表会があり、努力賞をもらいました。その部門では、初めての受賞のようでとてもうれしかったです。この会も楽しい会で、だいぶん前から来ています。

K・Nさん:保津町在住です。昨日もイベントを保津浜テラスでやっていました。そこには、張さんも、児嶋さんも来られて、今日は、張さんの会もあるということで、ぜひ参加したいときました。

桂川孝裕さん:市長です。多文化共生も大きな課題です。人口減少社会でどこも人が足りないのですが、外国の人の力も借りていかなければならないと思います。以前、児嶋さんに、外国にルーツを持つ子どもたちの話を聞いた時に、張穎さんのような指導者の話も聞きました。ガレリアに多文化共生センターも設置し、課題を共に考えていきたいと思っています。外国につながる人たちと共に、亀岡市民も良かったと思えることをいっしょに考えていきたいと思っています。

M・Mさん:私は、もめん屋で、綿を加工して手作り木綿を作っています。先ほどの中野さんは、米やで、ポン菓子も作っておられます。今日は、中野さんの紹介できました。ポン菓子も無農薬で作っておられるので、とても人気がありますよ。張さんとは、亀岡市に引っ越しをして来られるときから手伝って、どんどん付き合いも拡がってきました。

M・Nさん:京都で「やさしい日本語を広める会」の仕事をしています。外国につながる方ともわかりやすい日本語で話し、どちらもこの地で生きやすい世の中にして「いきたいとやっています。これは、2年前に京都市上京区の助成金を得て、印刷した冊子です。保育・幼児教育に関わって居られる方へのアンケートの報告書です。また、別に薬局の方も外国の方達とよくコミュニケーションを取られるはずですが、どのような状況かをファイザーの資金でビデオ撮りしたもので、ホームページで見られます。外国から来た人もよく薬局で薬を買うはずですが、話は通じているかのアンケートの結果です。

R・Sさん:8年か、9年前に退職し、その後、ひまわり教室で学習支援をしています。今は、中国出身の双子姉妹やマレーシア出身の男子でどの子も中2ですが、張穎さんといっしょに、学習の支援をしています。

Y・Nさん:亀岡生まれで、亀岡育ちで小学校教員をしていて、退職後、ひまわり教室で指導をしています。ここでは、保護者のがんばる様子も見え、自分が教師の時にどれだけ子ども達を理解できていただろうかと反省もし、指導を続けています。

児嶋きよみ:このGlobal Sessionは、1999年に交流活動センターではじめ、2011年に退職後は、自分のNPOのOffice Com Juntoで続けていて、先ほど言われたように373回目になります。20年以上過ぎてしまったことに驚いています。

亀田博さん:大津市より来ています。以前は、亀岡にオクラホマ州立大学京都校(OSU-K)がありましたが、本校に学生を戻して以後も、学部の受け入れなどをしていましたね。OSUの造園建築学科のPaul Hsu 教授と学生が毎年Study Abroadプログラムで亀岡に来て、宿泊し、そのツアーガイドなどもしていました。一度だけですが、市民の方達とOSUを中心にしたツアーのガイドでみなさんと行った事があります。現在は、関西テレビで亀岡市の庭や店などを毎週紹介していますので、いちど見てください。4月には、ももクロも来ますね。コロナ禍もありましたが、先端大や、民際日本語学校への留学生もかなり亀岡に興味を持っています。W・Wさんとも、三千院に行ったり、介護の仕事をされている今日も参加されているインドネシア出身のNさんもいますね。

では、張穎さん。ご自身の紹介から始めて、お話しをお願いします。

張穎さん:私は、19年前に日本に来ました。日本で派遣社員通訳者として働いていて、中国に帰国した兄を訪ねて来た日本人の友達と知り合い、結婚して日本に住むようになったのです。夫とは、コンビニの経営を6年半ほどしたり、その後3ヶ月ほどの世界一周の船旅もしたことがあります。日本語の教え方を学び、日本語教師になって、日本語学校の派遣教師で、海外で、日本語を教えたりもしました。6年前、夫が病気で亡くなり、海外へ単身赴任ができなくなって、ずっと日本で仕事をしていました。2019年から、亀岡市の小学校で、外国人児童教育支援に入らせていただきました。学校が休みになると仕事が無くなったり、コロナ禍で中国にも帰国できない難しい日々が続いていたのですが、2023年9月から、市役所の教育委員会から外国につながる子どもたちの支援者として雇用していただき、本当に感謝しています。その前から、ひまわり教室で、ボランティアで中国語の必要な子どもの通訳をしていましたが。

 亀岡にいる外国人といっしょに仕事をしてきて、1年間に食べるご飯の中のひとつぶにでもなれたらと思います。今日は、外国にルーツを持つ子どもたちとどのように関係を短縮できるかをみなさんの意見を聞きたいと思います。

グローバル・セッションスタート

1.異文化の理解と多文化共生

異文化とは?

 どこまでを『異なる』とするかについては、宗教、風俗、人種の相違などで見られる事が多い。しかし、民族の単位で見たり、地域の単位、果ては家族の単位で見るため、一概には言えない。

 生活様式や社会習慣、ものの考え方などの異なる文化は異文化である。

多文化共生とは?

  • 異文化を知ること

 価値観や言語、習慣、行動様式など自分が親しんでいる文化と、 規範や営みの異なる文化は異文化である。

*世界の学校を知ろう。日本の学校とのちがいは?

登校のやり方

日本:登校班が組まれ、歩いて学校へ向かう

中国:小学生は、登下校は、親や祖父母が必ずつきそう。

アメリカ:スクールバスか、保護者が送り迎えをする。

年度のはじまり

マレーシア:1月~11月 生徒は一つの学校に500人~2000人、先生は、70人~120人、2学期制 前期1月~6月 後期7月~11月、休み4回 3月に1週間・5月に2週間・8月に1週間・11月に6週間

日本:4月~3月

アメリカ&中国:9月

義務教育

マレーシア:11年、幼稚園1~2年 小学校6年 中学校5年、大学予備教育:2年 その後、公立大学へ

小学校のタイプ

マレーシア:3種類 ①公立学校 ②宗教学校 ③中国系公立小学校or 私立小学校orインド系公立小学校

中国:多民族の学校・小数民族の学校がある

学校の決め方

マレーシア:公立小学校・・・中華系・マレー系・インド系がある。私立学校・・・イスラム系・中文・台湾系・アメリカ系・イギリス系・ドイツ系・インタナショナル系

*両親が決める

*小学校は、午前グループと午後グループの2制度

食堂 午前7:00から4:00頃まで開館(多くの子どもが学校で朝食)

 

亀岡ひまわり教室:多文化共生の場楽しいコミュニケーションができいろいろ気にせず、子どもが楽に学習できる場

2.異文化を体験する

2024年2月25日(日)餃子つくりパーティ  張穎さんの家でひまわり教室の子どもたちといっしょに、餃子の皮から制作中

張穎さん:最初は中学生の双子姉妹がひまわり教室に来始めたときは、「行きたくない」とよく言っていました。でも、成長して今は中学2年で、2年が終わりましたが、楽しみで、「がんばります」と言って学んでいます。この間の餃子パーティの時は、野菜の切り方も教え、「手を切ったら、自分の責任よ」というと、ていねいにどの子も切っていました。餃子の皮も作ることから始めました。

 民際日本語学校で教えて居たときは、40カ国以上の留学生が来て居て、それそれの国料理を教えてくれました。

 ひまわり教室は子どもたちが中心なので、最初は子ども達とどう付き合うのかがわかりませんでした。

R・Sさん:外国にルーツを持つ子達と接するためには、自分自身の観点がないと、何がこの子達に今、必要なのかが見えてこないと思いました。千代川小学校の校長をしていましたが、当時、中国出身のお母さんとメキシコ出身のお母さんがいる子達が来ていました。友達との関係を見ていると、「やはり少し浮いているな」と思い、距離の取り方もよく見ていると見えて来ます。家で子ども同士がもめると、お母さんがものすごく怒るとか、いろいろありました。外国につながる子どもと言ってもいろいろな違いがあるので、どうしたらいいのかを知りたいと思っていました。

 その時の思いもあって、退職後、ひまわり教室でやり始めました。ここでは、学ぶことが多いと思います。子どもたちも泣いたり、笑ったりいろいろありますが、8年、9年たつと学校も変わってきました。

 大成中には、2年生に3人外国につながる子どもたちがいますが、新年になって中国の祝い方とセットとして発表などの取り組みをしたようです。中国では、小学生から、中国の漢詩を300首ほど暗記をすることを学んでいるようで、日本の古典と合せて両方の詩を暗唱する会をしたそうです。学校の中での中国の文化の位置付けをされている取り組みでしょう。

K・Yさん:日本語教室のボランティア指導者をしています。停年退職後も千代川小学校で常勤講師や非常勤講師をしています。ひまわり教室では、同じような外国につながりのある子どもたちがいて、仲間ができて楽しいようですね。千代川小には現在6人の外国につながりの在る子がいますが、中国人が2名とマレーシアやフィリピン、フランスにつながりがある子もいます。ひまわり教室に来ると、親同士のつながりもできてきて、いっしょに、どこかに出かけることもあるようです。マレーシアからの兄妹の妹は4年生ですが、英語と中国語ができます。でも、教室の先生の日本語の話がわからないとタブレット(グーグル翻訳)を使い始めました。張穎先生がいらっしゃるので、保護者とのやりとり(行事について・持ち物・教材費等)も助かっています。

 千代川小学校では、中国人の子のお母さんが、ゲストティーチャーとして来られ、息子さんの学年の子どもたちに、中国の文化や学校の話をしてくださいました。息子であるK君は、とてもうれしそうにしていました。

E・Tさん:マレーシアの学校の話ですが、「両親が子どもの学校を決める」と言われていましたが、それはどういう意味ですか?もし、両親と子どもの意見がちがう場合はどうするのでしょうか?

張穎さん:両親が相談をして、子どもはまだ知っている経験が不足していると考え、親が決めますね。小学校は義務教育ですが、大学も大体親が決めます。

Nさん(インドネシア出身:亀岡市内で介護士):先ほどひまわり教室で「宿題を見てあげる」内容といわれましたが、子ども同士の友達を作るなどの人間関係はどうされていますか?

K・Yさん:千代川小学校では、年間10ほどの外国人ゲストを招待して、お話しを聞いています。ひまわり教室に来ているシリアの子のお父さんのサフィさんにんも来てもらい、シリアという外国の文化を聞く機会を持ちました。たくさんの外国人ゲストに来ていただき、外国に理解を深める機会としています。マレーシアのあかねちゃんは、最初は日本語でのコミュニケーションはできなかったのですが、タブレットを使って、話し合いもでき、3月には、学年のみんなに日本語でスピーチすることもできました。

張穎さん:このような取り組みをしたあとで、「これ、中国語で何というの?教えて。」などと聞かれるようになりました。普通の子どもたちが外国につながりがある子達となかよくなりたいと思っているのだと感じました。

K・Yさん:中学校ではどうですか?

張穎さん:大成中学校には、H君という中2の子がいますが、日本生まれで4歳でお母さんの国のマレーシアへ行き、この夏に日本に帰国してきました。日本語での話し合いはできるのですが、読み書きはできません。同じく中国人の双子姉妹もいます。彼らも個性的ですが、最近は、さびしい時は、自分から話しかけてくることもあり、かなり安定しています。

R・Sさん:この子たちは、最初にひまわり教室に参加したとき、3年前から日本にきていたのに、全く日本語が通じませんでした。かっとなったら、泣いたり、男の子にかみついたりして、その子が泣いたりしたこともあるようです。最初は、「どうしようか?」と思っていましたが、日本語力がついて来ると、周りとの関係が変わってきました。この2年間に大分変わりました。

亀田さん(コーディネーター):この間の餃子作りパーティーの時も、中心になってやっていましたね。

児嶋:ひまわり教室も2014年に2人の子どもさんとそのお母さん達と始めましたが、今は10年目になりますが、いいことばかりではありませんでした。外国人のお母さんたちが、いろいろ教えてもらいたいこともありますが、関わりすぎるのもいやと思う人もいて、離れて行く人もありました。子どもが来たいと思っても忙しいという理由で来なくなった子もいます。それと、毎回レポートを指導者に書いてもらっているので、   次回に休んでも、どのような指導をされたかは、その人も頭に入れて参加してもらっています。

桂川さん:ひまわり教室のような教室は必要だと思いますね。いろいろ聞かせてもらっていますが。

Y・Nさん:千代川小学校で教員をして居たときは、特別支援教室や、生活指導などを担当していました。子どもさんの保護者との連絡は、連絡張におもに書いてもらっていました。ひまわり教室は、指導者としても、わかりやすいと思います。こころを開いてもらわなければならないので。

Mさん:話を聞いてみようとGlobal Sessionに参加しています。京都市での話ですが、フィリピン出身の学生がいて、この子の父親は日本人で、母親はフィリピン人でタガログ語が母語です。この子は日本国籍を持ち、最初はフィリピン出身とは思わなかったのです。英語が話せますが、ずっと傷ついてきたそうで、試験無しでいける大学に入学し、やっとついていけるようになったと聞きました。友達がいろいろ助けてくれたそうですが、このような子達をすくい上げる必要があるなと思います。

Y・Nさん:まわりの問題もありますね。つながりが必要という意識があるかないかも関係がありますね。家の人が子どもについて日本語で表現できるかどうかも関係しhますね。課題が大きいです。

児嶋:以前、双子姉妹のお母さんが、学校ともめた時に「もう転校させようか」と言っていたと聞いたことがあります。私は、埼玉県で3度も転校したことを聞いていたので、「この学校を転校して、よそがもっといいはずがない。」と張穎さんに頼んで言ってもらいました。その後は落ち着いたと聞いていますが、転校しなくて良かったとほっとしました。

桂川さん:聞かせてもらっていろいろな課題があるなあと思いました。直接には教育委員会が担当ですが。私への情報としてはワンクッションありますね。でも、どこにどれだけの、外国につながる子どもたちが在校しているかの実態調査はしていて、対象となる家庭に対して方法を考えて行きたいと思います。大成中などは体験型で中国などの文化を知ることをやっておられるようですね。

張穎さん:今日は、いろいろ聞かせていただきありがとうございました。

亀田さん:では、今日のGlobal Sessionは終わりにしましょう。ありがとうございました。