2021/12/01
「共に生きる」ために 2021年11月28日京都新聞掲載
ひまわり教室について遠くにいても話し合いができる環境が整ってきていると感じる機会が増えていたのがコロナ禍のひとつの成果でしょうか?
2014年に外国につながる子どもさんとお父さんやお母さんの学習支援のひまわり教室を開設し、2021年現在も、細く長く続けています。
同時に、指導者が学び会う研修会も毎年京都府国際センターや亀岡市の国際交流協会の共催でやっています。
今回は、「国際教室」を小学校で340校の内147校(43%)と中学校で39校/145校(27%)も市で設置をされている横浜市から講師をお招きしました。
指導の形態は児童生徒のそれぞれの実態に合わせ、「取り出し指導」や「入り込み指導」などさまざまです。
ここで「そのような多くの先生を、どのようにして見つけ、配置するのか」という点です。
その答えは「横浜周辺の教職課程を持つ大学では、通常クラスの教員養成と国際教室の指導ができる内容に変化している」でした。
亀岡市でもひとりひとりの児童生徒等に合せ取り出し指導や母語での通訳ができる指導者を探すために想像を超える苦労をされていることを知っています。
10年ほど前には、「こどもは外国語を身につけるのは早い」という認識で担任の先生任せがほとんどであったかと思います。
近年は、生活言語と学習言語の身に付け方は大きく違い、学習に必要な言語力は5年から7年かかるという研究が進み、サポートがあれば理解ができるが、なければぼんやり過ごす日々が続くと言われています。
ひまわり教室での学校外でのサポートもコロナ禍の中、細々と、「宿題をいっしょにしようね」と声をかけ、3年生で九九の覚えが悪いと気がつくと、学年を戻りその部分の復習をするようなこともあります。
コロナ禍で会えない時には携帯メールで答えることもありました。
それぞれの学校でも、授業中や下校時間後の指導も必要な時もあり、わからないまま過ごす時間はなるべくなくしようという全体にあると思います。
日本に在住の外国につながる子ども達だけで無く、自分たちが外国に住む場合の困難さに思いを掛けることができるか否かを問われていると思います。
「共に生きる」とはどこに居ても、誰にでも同じような感覚が求められるはずです。
横浜の市全体の取り組み方は特別のことをしているというような感じを持たせない普通さがありました。
亀岡のひまわり教室でも他の国から来られた方をインタビューし、たなかひろこさんという絵本作家が指導者メンバーにおられ、文化のちがいに注目する絵本の制作を始めました。
メンバーのひとりのホームページの「たげんごオリジナルえほん」をクリックすれば、中国語と日本語の絵本や、スペイン語と日本語、アラビア語と日本語の絵本がYouTube配信で飛び出して来ます。
言語のちがいだけでなく、「反抗期」など考えたこともなかったという中国のお話しなど、さまざまです。
どうぞ、お楽しみください。
オフィス・コン・ジュント代表 児嶋きよみ