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2021/05/13

ひまわり教室から皆様へ

子どもは言葉の天才だと言われています。特に外国語の習得は大人より驚くほど早いという話は1度ぐらいお聞きになったことがあるではないでしょうか。でも、実は子どもにとっては、外国で<その国の言葉で生活すること>と<その国の言葉で勉強すること>は全く違うことなのです。なぜなら、使われる言語能力が違うからです。

バイリンガルの子どもの言語能力は、「生活言語能力」(BICS*)と「学習言語能力」(CALP**)を区別して考える必要があります(Cummins, 1981)。

「生活言語能力」は、日常生活でのやりとりに使う言語能力です。たとえば、学校の休み時間に友だちと話したり(例:「何して遊ぶ? / サッカーしよう!」)、家庭での親子のやりとり(例:「今日の夕飯は何?」「宿題やったの?」)で使うことばの力です。このような言語能力は大体1〜2年で習得できます。「子どもは外国語の習得が早い!」「すぐにぺらぺらと話すようになる!」というよく聞く話はこちらの生活言語能力を指しています。

一方、「学習言語能力」は、抽象的な概念の理解や、教科学習に必要な言語能力です。たとえば、教科学習で扱う概念(例:「環境汚染」「電流」)について先生の説明や教科書の内容を理解したり、自分で発言したりするときに必要なことばの力です。例えば、中学校の国語の教科書には『月の起源を探る』という文章があります。その中に「惑星、衛星、公転、自転」という言葉が出てきます。大人なら太陽、地球、月の関係性を思い出せば、これらの言葉が簡単に習得できますが、子どもの場合、まず太陽、地球、月の関係性について説明するところから始めなくてはなりません。そのため「学習言語能力」の習得には5〜7年という長い時間がかかります。

二つの言語能力は別々のものですから、「生活言語能力」が身についたら、自然と「学習言語能力」が身につくというものではありません。学校の勉強についていくために必要な言語能力の習得は決して簡単なことではなく、学習の積み重ねが必要です。

二つの言語能力は別々のものですから、「生活言語能力」が身についたら、自然と「学習言語能力」が身につくというものではありません。子どもが学校の勉強に取り組む中で、意図的・計画的に「学習言語能力」を育てていくことが大切です。

オフィス・コン・ジュント 代表 児嶋 きよみ

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